【徹底解説】社会保険適用の壁で増える自己負担額とは?

手取り額が減ってしまうとされる、社会保険適用の壁はよく耳にします。

 

あなたは、実際どれくらい自己負担額が増えるか知っていますか?

また、その負担によって得られるリターンがどれくらいなのかをご存知ですか?

 

企業規模が101人以上となる大きな会社に勤める場合は106万で、それ以外の場合が130万となるのが、社会保険適用の壁となっています。

今回は、その社会保険の壁と言われる健康保険と厚生年金の負担額についてまとめました。

厚生年金の支払額と給付額を解説

日本の国民年金制度は、加入者を3種類に分けてあります。

その中の3号被保険者は、とにかく受ける恩恵が大きいのが特徴的です。その恩恵の一つが、個別の保険料支払いがなくても基礎年金の給付を受けることができるのです。

保険料を支払って年金を受け取る人からしたら不公平と思うのかもしれませんが、ルールとしてあるのですから当然の権利になります。

ですが、受け取ることができる年金というのは、基礎年金部分のみとなります。

年金制度には、基礎年金と厚生年金があるのですが、3号被保険者は厚生年金には加入していないということになるのです。

 

年金制度の理解にはこちらの記事をご覧ください。

 

なので、収入が増え、社会保険適用の壁を越えると、3号被保険者から2号被保険者に移行することで、厚生年金への加入が必要となり、厚生年金の納付義務が発生するのです。

 

以下は、厚生年金の支払額の参考例です。

106万の壁を越えた人は、表の等級でいう1等級に該当します。

これは、106万の壁が、月8.8万以上の報酬(8.8万 * 12 = 106万)なので、月の報酬額は93,000円未満となり、標準報酬額が88,000円に該当するためです。

上記表により、厚生年金保険料額は、事業主と折半した額の8,052円となります

厚生年金の受給額は誤差はありますが、下記計算式の額に近くなります。

平均標準報酬月額 * 5.481 / 1000 * 加入期間の月数

88,000円 * 5.481 / 1000 * 1ヶ月 ≠ 482円/年

年金給付開始で、月あたり40円の給付を受けることができる計算となります。

 

130万の壁(10.8万 * 12 = 130万)の場合は、月の報酬額は107,000円以上で114,000円未満になり、標準報酬額は110,000円に該当し、4等級になります。

上記表により、厚生年金保険料額は、事業主と折半した額の10,065円となります

厚生年金の受給額は誤差はありますが、下記計算式の額に近くなります。

平均標準報酬月額 * 5.481 / 1000 * 加入期間の月数

110,000円 * 5.481 / 1000 * 1ヶ月 ≠ 602円/年

年金給付開始で、月あたり50円の給付を受けることができる計算となります。

 

加入月数が増えれば、一生涯受け取れる給付額が少しづつ増えていきます

納付額と受取額の差額ですが、だいたい16年以上長生きすれば、支払い額より受取額が大きくなります。

16年の期間をどう捉えるのかはわかりませんが、現状なら65歳支給開始で81歳となります。

人生100年時代、働ける体のうちに年金の受取額を増やしておくことの方が、老後のプライスレスな生活には効果的ではないかと感じます。

 

健康保険に加入による負担額を解説

健康保険に加入している人の扶養となっている場合、、健康保険料は扶養している人が負担しますで、扶養者の負担額はありません

ですが、収入が増え、社会保険の適用となることで、勤め先の健康保険に加入することになり、健康保険料の納付が必要になります。

勤め先が健康保険に未加入などの場合は、国民健康保険に加入します。

 

健康保険料の支払額は、厚生年金と同様、報酬額によって変化します。

また、45歳以上65歳未満の人は、介護分として、割率は高くなっています。

全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)

 

仮に、106万の壁と130万の壁で「大阪府」を参考に算出してみます。

標準報酬88,000円(106万の壁)

標準報酬は、先ほどの厚生年金と同じ方法で決定します。

上記表により、

45歳から65歳が、事業主と折半した額の5,328円

それ以外の年齢は4,527円となります。

 

標準報酬110,000円(130万の壁)

上記表により、

45歳から65歳が、事業主と折半した額の6,660円

それ以外の年齢は、5,659円となります。

 

働ける体のうちに、老後の資金を蓄える厚生年金と、自立した生き方の健康保険の加入は、社会保険の壁としてネガティブに捉えられているように感じますが、実際には個人のライフプランを自由に設計することができる「社会人」への壁ともいえます。

それぞれが「自分らしい生き方」を進むには、お金の問題にはきちんと向き合うことが必要です。

 

自分にあったライフプランを計画してみませんか