【徹底解説】企業型DCの掛金額で社会保険料の支払額が減る理由

企業型DC(Defined Contribution)とは、企業が従業員のために提供する確定拠出年金の一つです。

これは、主に企業が従業員の退職金制度の一環として設ける年金制度の一つで、その特徴は「拠出額が確定し、その結果得られる年金額が変動する」ことにあります。

毎月一定の金額を拠出(確定した拠出額)し、その積み立て金が、株式や債券などの金融商品に投資されて運用され、その運用された結果によって、退職時に受け取る年金の額が決まる(年金額の変動)のです。

そんな、企業型DCには、似たような制度の個人型iDeCoとは異なる特徴があるのです。

それは、掛金額によって、社会保険料の支払額を減らすことができるのです。

 

個人型のiDeCoは所得控除になるので、課税所得の減額にはなりますが、社会保険料の減額にはなりません。また、企業型DCでも、マッチング拠出という仕組みの場合の従業員拠出分の掛金も、個人型iDeCo同様に所得控除のみで社会保険料の減額にはなりません。

 

企業型DCについては、こちらの記事にまとめています。

 

今回は、社会保険料の減額になる企業型DCについてまとめてみました。

簡単に言えば、社会保険料の算出時に、掛金分を含めずに計算することができるので、結果、健康保険と厚生年金といった、社会保険料が減額になるということです。

参考事例として、選択制企業型DCの掛金を3万円とした場合の社会保険料の減額分を計算してみました。

社会保険料の基準額の解説

健康保険料や厚生年金と言われる社会保険料は、一般的に、毎年4月から6月の給料3ヵ月分の平均によって決まります。

その平均額を「報酬月額」といい、その額によって「等級」が決まります。

そして、その等級によって社会保険料の支払額が決まり、その年の9月から改定されるのが一般的です。

また、改定された支払額は、次の改定までの間、同額を支払うことになります。

 

ここでいう給料とは、総支給額になります。

 

全国健康保険協会の社会保険料額は、下記の表で確認できます。

全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)

 

参考として「全国健康保険協会」で計算しています。

実際には、各会社が加入している健康保険組合、または共済組合などの保険料額表をご確認ください。

 

社会保険料の減額前を解説

仮に4月から6月の給料の平均が295,000円の人が、毎月3万円の企業型DCをした場合で考えます。

標準報酬

4月296,000円、5月300,000円、6月289,000円 の平均は ==> 295,000円

よって、22等級の標準報酬は300,000となります。

この場合の厚生年金と健康保険料(全国健康保険協会の割合)を計算します。

 

年齢は38歳として、介護被保険者には該当しない場合で計算(40歳以上で介護保険被保険者に該当します)

社会保険料

健康保険:15,435円(185,220円/年)

厚生年金:27,450円(329,400円/年)

これが、社会保険料の減額まえの額になります。

 

社会保険料の減額後を解説

同額の給料で毎月3万円の企業型DCを行った場合を計算します。

標準報酬

4月296,000円266,000円)、5月300,000円270,000円)、6月289,000円259,000円) の平均は ==> 295,000円265,000円

よって、20等級の標準報酬は260,000となります。

 

この場合の厚生年金と健康保険料(全国健康保険協会の割合)を計算します。

社会保険料

健康保険:13,377円(160,524円/年) ー24,696円/年

厚生年金:23,790円(285,480円/年) ー43,920円/年

毎月3万円の拠出をすることで、社会保険料が68,616円/年、減額できるということになります。

結果、将来への投資(年金)を行いながら、現在の手取り額を増やすことができるということになるのです。

 

 

企業型DC、個人型iDeCoなどの組み合わせはいろいろと存在します。

また企業や、制度によって上限額の設定もありますので、悩ましいのが現状です。

 

自己の目的にあった選択を決めるのであれば、一度、専門家に相談することをオススメします。